■シスターと騎士(3)■
「はぁ、・・・・・・・・・・・・顔合わせずらいな・・・・」
ミデェールはエンバス城の廊下を歩いていた。
表情は暗く、気分は重い。
目的地は主の部屋。
先刻、何故か怒りをあらわにしたエスリンに、エーディンのところへ行けと言われた。
何かあったのですか?と問うと、微妙な顔で自分に聞けとだけ言われた。
「ミデェール、真面目なのもいいけれど、少し柔らかい考え方も必要よ」
そういってウィンクをしたエスリンは、キュアンのもとへ走り去って行った。
…相変わらず、元気な方だ。
それが彼女の魅力であり、人々をひきつけるのだろう。
キュアンに抱きつく姿を見て、ミデェールはそう思った。
柔らかい考え方、か。
ふーっと一息ついて、とにかくエーディンの部屋に向かうことにしたのである。
が、言うは易いが、行動は難しである。
先日、ささいな言い争いで傷つけてしまった故に、ミデェールは彼女に合わせる顔がなかった。
…あれからエーディン様は私を避けていらっしゃる。
軍に留まることを反対したのが、それほど気に入らなかったんだろうか?
「私は、ただエーディン様に安全なユングヴィに戻って以前のように笑っていて欲しかっただけなのに…」
ポツリとそう呟く。
周りには誰も居ないため、彼の足音だけが廊下に響いていた。
「・・・・・・・・・・・・・はぁ」
ミデェールは主の部屋の前まで来て、またも溜息を漏らした。
ここ最近の彼女は、自分をみると泣きそうな顔をしていた。
ミデェールが好きな、いつもの花のような笑顔はない。
曇る表情の理由は、きっと自分。
誰よりも笑っていて欲しい主の笑顔を奪ったのは、きっと自分。
悲しそうな顔を見て、どれほど抱きしめたいと思ったことか。
・・・・・しかし、それはしていはいけないこと。
先日気付いた自分の気持ち。
『エーディン様が好きだ』という正直な気持ち。
どれほど隠しても、もう無理だろうと思った。
近くにいると、求めてしまう自分にがいる。
逃げだと言われてもいい、ユングヴィに彼女を送り届けたら、自分は戦いに参加しようと決意をきめた。
…遠くから、エーディン様の幸せを願おう。
それが、彼の出した結論だった。
もう一度溜息をしたあと、気合を入れるために息を吸い込んで、ノックをしようと手を手を揚げたときだった
「ミデェール・・・・・・・・・・・・私は、貴方が好きです」
聞き間違えるはずもない、大切な人の声。
手に入るはずのないもので、甘美な夢だと思った。
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ガタンッ
突然、扉から物音が聞こえた。
「誰ですか!?」
エーディンは、急いで涙を拭う。
しかし、返答はなく、誰かが走り去る足音のみが聞こえた。
「・・・・誰かが先ほどの言葉を聞いていたの??」
誰に言うでもなく、つい口にでてしまった言葉だったのに。
急いで、扉に駆けよった。
既に足音の主は廊下の突き当たりを曲がったところであった。
「!!!」
人物を特定できなかったけれど、後ろ姿かた見えた髪は緑であった。
「・・・・・・・・・・・・・ミデェール」
予想は、きっと当たっている。
エーディンが一番聞いて欲しくて、聞かれたくなかった人。
(シスターと騎士・続く)
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懺悔という名の後書き
・・・・・・・・2と同時進行。
ミデェールサイド。
最後エーディンをちょっと。
ちょっと短い、ですな。
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